インフルエンザワクチンについて


インフルエンザワクチンはうったほうがよいかどうか?、について考えてみましょう。

  基本的に、過去に重篤なワクチンアレルギーがあったひと以外はワクチン接種がすすめられます。ただ、必ずしもみんながインフルエンザにかかるわけではなく、確率論になると思います。実際、インフルエンザにかかりにくい体質があるのは事実のようです。今まで、ワクチンもうったこともないし、インフルンザにかかったこともないような人にはあえてすすめません。特にすすめられるひとは、保母さん、受験生、慢性呼吸器疾患をもつひと、感染抵抗力の弱いと推測されるひとなどです。

費用については、医療保険が使えませんので、居住される地域や、医療機関によって異なります。したがって、接種予約する前に接種料金を確認されたほうが良いでしょう。

接種時期としては、ワクチンの効果が2―3週間後から3−5ヶ月まであるものと考えられているので、11月中旬より12月初旬頃が良いと思われます。

接種回数は当院では13歳以上は1回、13歳未満は可能なら2回と考えています。昨年、明らかにインフルエンザにかかった人などはそれも考慮します。

副反応は10−20%に局所の発赤・疼痛、5−10%に発熱・全身倦怠感などが出現しますが、いずれも軽微で2−3日で軽快します。

インフルエンザワクチンはインフルエンザにかからなくなるものではなく、かかっても軽症ですむ注射です。しかし、ワクチン接種をうけずに発症したひとの75%は接種をしておけば発症をまぬがれたというデータもあり、有効であることは間違いなさそうです。しかし、流行が危惧されている新型インフルエンザへの効果はあまり期待がもてないようです。

 今年はタミフルが効かないインフルエンザが欧州を中心に問題となっており、ノルウェーなどでは67%がタミフル耐性という報告もあります。また、今冬でも島根県を中心にタミフル耐性インフルエンザが流行しており、注意が必要です。なお、インフルエンザワクチンはタミフル耐性インフルエンザにも有効と予想されます。

2008年11月13日