頭頚部領域
◎脳動脈瘤

 脳の動脈の一部が内側からの圧力に耐えかねて、こぶのようにふくらんで起こります。脳の血管の先天的な弱さに、高血圧や血流の影響が加わって起こると考えられています。内頸(ないけい)動脈、脳底(のうてい)動脈、中大脳動脈、後大脳動脈など、あるいはそれらの動脈の分岐部に起こります。左の画像は、左内頚動脈のところに動脈瘤があります。
◎外傷性くも膜下血腫
脳を包んでいる髄膜(ずいまく)の3層のうち、硬膜(こうまく)の内側にある薄いくも膜と脳の間に出血が広がったものです。  一般に、くも膜下出血という病名は脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)の破裂が原因で出血した場合を指すので、けがが原因の場合は 外傷性くも膜下出血と呼びます。上の画像は、右側頭部を打撲して運ばれてきた患者様です。白い部分が出血です。骨の頭部3D像では右側頭部に骨折線が頬骨まで達していることがわかります。
動脈硬化 → 脳虚血性変化 → 脳梗塞
脳が生きていくために必要な量の血液が来なくなると、脳は極めて短時間で脳梗塞に陥ってしまいます。こうした脳梗塞は脳を栄養している動脈が閉塞(つまる)、あるいは狭窄(狭くなる)するために起こります。
 こうした動脈閉塞の原因のひとつとして、脳動脈自体に動脈硬化性変化(血管が硬くなる)を生じ動脈狭窄を生じる場合があります(動脈石灰化など)。
脳虚血性変化は脳血流が低下した病態です。(画像では脳室の周りの黒くなっている部分です。
 上の図は脳の断面をあらわしたもので、真ん中の黒い部分が脳室です。一番右の画像は血管の丸い断面の部分で血管壁が石灰化のために白くなっています。左の図で黒線の部分を断面にしています。

◎アルツハイマー型認知症
 脳が全体的に萎縮し、記憶をつかさどる海馬という部分が萎縮する病気です。(左の図の矢印の部分)
 認知症全体の50%以上を占める。遺伝、老化、その他の原因により神経細胞の外にできる老人斑、神経細胞自体が変化する神経原線維変化という脳に溶けにくいたんぱく質がたまることで起こります。老人斑はアミロイドβ蛋白、神経原線維変化はタウ蛋白です。

副鼻腔炎
図は左の上顎洞に膿がたまっています。症状としては頭痛、鼻が詰まった感じ、物事に集中できないなどがあります。

脳動脈瘤